今現在、テレビの向こうで興奮気味に喋っているアナウンサーも、そんな一人なのかもしれない。
日本とアメリカという遠距離にも関わらず、多少の誤差はあるものの、ほぼリアルタイムで中継している。
そしてその様子を一人の女性と少女が自宅のリビングで見ていた。
そんな中、漆黒の髪を持つ男が画面に映し出される。
『御覧ください! ダークです!』
女性はその姿を確認するや否や、その表情を曇らせる。
「・・・そう・・あの遺伝子が覚醒したのね・・・・・・」
プルルルルル・・・・・・
突如として鳴りだした傍らの電話。
しかし女性は電話が来る事が前々から分かっていたかの様にゆったりとした動作で受話器を取る。
「はい・・ええ、今テレビでやってるわ。
とうとうこの時が来たのね・・・ええ、もちゃんと了承している事よ・・・」
そういって女性はと呼んだ傍らの少女を見やる。
「大丈夫よ、私の自慢の娘ですもの・・・きっと乗り越えるわ・・・
ええ・・・お願いね、笑子」
女性は受話器を元の場所に収めると、大きく息を吸い、少女の方に向き直る。
「さぁ、早く準備を終わらせるわよ」
「はい、母さん」
トタトタと階段を掛けあがるの後ろ姿に、女性はポツリと呟いた。
「・・・・・・大丈夫よ・・・自慢の娘、だもの」
まるで自分に言い聞かせるかの様な台詞は響く事無く空に掻き消される。
『ダークは警察の包囲網を掻い潜り、実に鮮やかに、難なく“聖なる乙女の像”を盗み去った模様です!
約半世紀振りの大怪盗の再来に私、感動に打ち震えております! ――、―――――――――・・・・・』
未だ点けたままのテレビでアナウンサーとその周囲の音だけがリビングで響いていた。
こうして輪廻の宿命という新たな歯車はゆっくりと、音も立てずに回りだす
誰にも止めることの出来ないその歯車が迎える終焉は何を指し示すのか
それは、これからその運命に巻き込まれていく少年も、少女にも分からない
――
あとがき ――――――
そして、管理人にも分からない ―――― (ごめんなさい! 投石はご勘弁ください!!)
ええ、初めてしまいましたとも・・・
名前変換ほとんどなし、まだ主要キャラと合流もしていない、など、ナイナイ尽くしですね・・・!(痛)
日々後悔しながら生きてる管理人、日々の懺悔は欠かせません。
次回は、ようやく大助君と合流です。
この小説のオチは誰かはもう決まってたりします・・・
管理人の好みの傾向をよく知ってる人にはモロバレ。
実際、管理人の知り合いの先輩には一発でばれました・・・
up:2005.10.1