それは 些細な事から生まれる 非日常



 











 ■私の日常 〜誘い〜















 「あー、○○(お好きに情報処理の先生の名前を入れてみよう!)の奴マジムカつく!普通今更単語使ってプログラム組ませる?
  一年の時の簡易プログラムで十分じゃない!」
 

 「いくらコンピューターの使用率が増えてきたからって、ねぇ・・・こっちは就職活動控えてるのにさ、今更情報処理の時間増やされても学生の方が困るって」
 

 「確かに就職先ではコンピューター使うかもしれないけどさ、プログラム中心の授業やったってプログラマーになるわけじゃないんだから。
  私達の進路には殆ど使用頻度0に近いよね」




 私、

 只今学校に通ってる大学4年生。

 最初に愚痴っていたのが同じ学科で学んでいる、親友の上総と唯。

 というか、小学校から一緒だからかなりの腐れ縁と言えるのではないだろうか。

 まあ、そんな事はこの際関係ないので割愛させていただこう。

 




 
 事の発端は1年の時に終了した情報処理の授業が急遽4年でも履修しなければならないと決まった事から始まった。
 

 「ホームページだってビルダー使えば出来るこのご時世にプログラムの単語覚えてもねぇ・・・」
 

 「公務員試験控えてるっていうのにさぁ・・・あんのプログラムオタク・・・」
 



 まだ愚痴り足りない様子で私達は並んで研究室に入る。
 
 そして各自持ち寄ったノートパソコンを起動させ、つい先程出されたプログラムの課題に取り掛かる。


 「あ、上総そこ違う。
  この単語は無くてもプログラムは動くよ」



 と、私が上総のプログラム単語の並んでいる中で間違っているであろう箇所を幾つか指摘する。
 

 「・・げ、本当だ・・・・・
  でもさ、ウチらの中じゃが一番内容理解してるよね。
  おかげで助かるよ〜」











 
 しかし、愚痴をこぼしながら取り組む課題なんかに集中力が長く保つはずもなく、30分もしない内に飽き始めた。


 「あ〜面倒くさ、休憩しよ。ココア入れるけど他にいる人〜」


 「いる〜」


 「あ、私も〜」






 上総がココアを入れている間に、唯はワイヤレスのインターネットのカードを取り出し、パソコンと接続してインターネットに繋げる。

 カタカタと操作すること数分、画面に出てきたのは結構昔から見てきているロボットの画像。



 「『ガンダムSEED』? あんたロボット系好きだったっけ?」


 上総がココアの入ったカップを持って机に座りながら画面を覗き込む。


 「今度テレビ見てみてよ、ハマるから。ガンダムW以来のツボだね」



 「って事はキャラ目当てな訳ね・・・」








 私が呆れながら呟くと、唯は手を組んで、いわゆる“乙女の祈り”のポーズをとってウットリとした表情になる。


 「だってイザーク様がね・・・」


 「(様付けかよ・・・)イザーク・・と、これか。
  何て言うか・・・坊っちゃん気質っていうか一皮剥いたらガキっぽいっていうか・・・・・」


 「テニプリの岳人、ヒカ碁のアキラ、そしてこれ・・・何て言うか見事にオカッパフェチだね」


 「そういや、『千と○尋の神隠し』じゃハク様〜!って叫んでたな・・・・・」


 「あぁ、そういえば・・・」













  

 

 数年前に大ヒットをとばした某映画。

 かくいう私たちも人ごみに酔いながらも映画館に足を踏み入れ・・・まぁ、そんな前置きはいい。

 本題は、唯が上映の真っ最中に(本人は無意識だったらしい)「ハク様〜!」と叫んだ事だ。

 あまりの人の多さに叫んだ本人を特定されなかったのが幸いだったが・・・

 私たちは今でも忘れない・・・唯が叫んだ後に映画館のあちらこちらで沸き起こったクスクスと言う笑い声を・・・・・・(泣)












 「や、やだな〜・・・私も少しは成長したんだよ?
  例えば・・・ほら、このキラとかニコルとか・・・」








 「「ショタコン」」









 私と上総の痛恨の一撃によって、唯は地に沈んだのだった・・・・・・










 「さて、と。
  唯で一通り遊んだ事だし」


 「をい・・・」


 「ちょっと教務課に行ってくるね。
  今度の実習先が変更になりそうなんだって」




 上総は唯の抗議もさらりと無視し、席を立つ。



 「公務員試験の事で就職課呼ばれてたから、私も行く〜」


 さっきまでの不機嫌さもなんのその。

 唯は上総と並んで研究室を出て行った。










 

 手を振って二人を見送った私は、膝の上に自分のノートパソコンを乗せたまま、唯が開きっぱなしにしていったサイトをカチカチといじる。








 「主人公の子・・・まだ16歳なんだ・・・・・・」









 「指導者が引き起こした戦争に巻き込まれるのは・・・いつだって国民なんだ・・・・・・」
 









 消え入りそうなくらいに小さい声で呟いた声は、その目的通りに、誰にも聞こえることなく消滅する
――――― はずだった。


 瞬間、唯のパソコンの画面が真っ白になる。



 「え・・・・・壊れた!?」




 唖然としているうちにも、パソコンの画面はますます白さを増す、と言うよりは、光量が増している様だ。

 普通パソコンに何らかの障害が起こって電源が落ちた場合、画面は真っ黒になる筈だ。










 何かがおかしい、そう思った時には私は眩しい光に包まれていた。




































 
――あとがき――――――

 え〜、二人がオリキャラとして出演しております。
 こうもオリキャラが出てくるのって、読み手からすれば如何なものなんでしょうか。
 管理人からすれば、頻繁に出てくるわけじゃないので、名前登録が面倒くさいかなぁ、と思って変換無しにしております。
 皆さんのご意見を聞かせてください。

 さて、またもや連載ですが、実はこの連載を考えてたのが、まだSEEDが放送されてた時期・・・つまり2年〜2年半位前なんですよ。
 ちょうどア○リカのイラク派遣の時期だったと思います。(もともとこの話もそれに合わせた話の内容だったと思います)
 サイトを開設するに当たって、「この話をお蔵入りにさせるのももったいないなぁ」と思い、ようやく日の目を見た作品だったりします。
 人様より一足どころか百足位遅い出発ですが、無事に完結出来ることを願います。

 up:2005.10.1